PWAにすると改善するKPI

モバイルのwebアプリをPWAにする事で様々なKPIに改善が見られます。

この記事では各KPI改善をPWAプロジェクトの実績を見ながら紹介していきます。

 

サイトの初期ロード時間

PWAにすると以下の様な理由でサイトのロード時間が速くなります。

1. Javascriptのコードベース

PHPやRubyなどのサーバー側でUIが作成されたものをブラウザに送る仕組みに比べhtmlで用意されたファイルがJavascriptで必要なデータだけ取ってくるためパフォーマンス全体が上がります。

2. Service Worker + App Shell

PWAではコンテンツをキャッシュするService WorkerとUIの側だけを別に用意するApp Shellという仕組みが使われます。

App ShellをService Workerがキャッシュすることで2回目からサイトに訪問した場合はキャッシュされたApp Shellが使われサイトの側だけはブラウザに既に保存された物が使われるため、サイトが高速に表示されます。

サイトの初期ロードにはFirst Paint (画面に何か描写が始まる時間)とTime to interactive (実際にユーザーが何か操作を行える状態になるまでの時間)の2つがスピードを計るポイントになります。

PinterestのwebアプリではFirst Paintに4.2秒そしてTime to Interactiveまでには23秒かかっていたものがPWAにすることでFirst Paintが1.8秒そしてTime to Interactiveが5.6秒までに改善しました。

また2回め以降の訪問の際はService WorkerのApp Shellへのキャッシュが効いていてFirst Paintは0.8秒そしてTime to Interactiveも3.9sまで速くなっています。

出典:https://medium.com/dev-channel/a-pinterest-progressive-web-app-performance-case-study-3bd6ed2e6154

 

直帰率

Googleは「ECサイトの場合はサイトスピードは2秒以内にすべきで、Google社内では0.5以内を目指している」と表明しています。

「モバイルサイトのロードに3秒以上かかると53%のユーザーはサイトに来るのをやめてしまう」という統計もGoogleは発表しています。

これから言えるのはサイトのロード速度を速くすればするほど、直帰率を下げる事ができるということです。

出典:https://www.hobo-web.co.uk/your-website-design-should-load-in-4-seconds/

インドのジモティーの様に個人の広告が出せるクラシファイド広告サービスのOLXではPWA化することでTime to Interactiveが23%改善し、直帰率が80%下がったという結果が出ています。

 

滞在時間 / 訪問ページ数

PWAでアプリっぽい操作性のUXやJavascriptベースのコードでレスポンスを改善することでサイトの滞在時間が長くなります。

家具販売サイトのwest elmではwebアプリをPWAにすることで滞在時間が15%改善しました。

TwitterのPWA版のTwitter Liteではセッション毎の訪問ページ数が65%増加しました。

 

コンバージョン率

ロード時間を短縮し、直帰率を下げ、滞在時間を上げれば当然コンバージョン率があがります。

インドのホテルチェーンTreeboはPWA化することでコンバージョン率が4倍に上がりました

PinterestのPWA版はwebアプリ版に比べてユーザーコンテンツ経由の広告の売上が44%増加しました。

オンラインチケットサービスのBookMyShowはPWA化することで、コンバージョン率が80%増加して、売上が劇的に増加しました。

 

その他の事例

様々なKPI改善の事例はwww.pwastats.comに多く紹介されています。

 

 

 

ユーザーがネイティブアプリをやめてPWAを使う理由

誰も使わなくなったネイティブアプリという記事でいかにネイティブアプリが使われなくなったかという説明をしましたが、この記事ではどうしてネイティブアプリが使われなくなったのかをユーザー視点で説明します。

 

インストールが大変

ユーザーがアプリについて聞いてからアプリが実際にダウンロードされるまでには6ステップが必要と言われています。

1. App Storeアプリを立ち上げる
2. 聞いたアプリ名を検索して、アプリを見つける
3. アプリの詳細ページを友達に見せて「このアプリだよね?」と確認する
4. iTunesのパスワードを入力する。(パスワードなんだったっけ…)
(ここでしばらくiTunes使ってないと登録したクレジットカードが使えないとかいうエラーが出てきたりもする)
5. ダウンロードがスタート
6. ダウンロードが終了したのでアプリをクリックしてアプリスタート

ステップの参考にしたブログ
https://www.swrve.com/weblog/the-physics-of-app-friction

各ステップ毎に20%脱落すると言わているので。1000人で始めた場合。

1. 800人 (-20%)
2. 640人 (-20%)
3. 512人 (-20%)
4. 410人 (-20%)
5. 328人 (-20%)
6. 262人 (-20%)

となります。これは例えばランチで「なんとかアプリがいいらしいよ」という話を聞いたユーザーの1000人のうち260人ほどしか実際にそのアプリを使いはじめないという事になります。

PWAの場合友達からライン経由でリンクが飛んで来たり、Googleなどの検索で出てきたサイトをクリックするだけでアプリが開始するのでこのステップを経ること無くアプリを使ってもらうことが可能です。

 

ストレージも消費する

アプリをダウンロードするとスマホの容量を食います。先ほど自分のiPhoneに入っているアプリのストレージ消費を見てみました。

Economistアプリは一回も使っていなのに730MB消費していて、Google Docsが263MBも消費しているのにはびっくりしました。

普段良く使うMessangerは385MB、LINEも338MBと相当消費しています。メッセージの一部をアプリ内に保存しているのでしょうがそれにしてもかなり大容量です。

PWAはインストールが必要ないのでほとんどストレージを使いません。

Twitterクライアントでの比較だとiOSアプリの214MBに比べてPWAの600KBになり数百分の1のサイズになっているのが分かります。

 

アップデートも大変

ネイティブアプリの場合アプリにアップデートがあった場合にいちいちそのアプリ全部をダウンロードする必要があります。

こんな感じでアプリを使いたいのにアップデートが始まってしまい、いらいらしてしまう場面も多いですよね。

PWAはwebアプリなのでアップデートに時間はかからず、常にアプリは最新の状態に保たれています。

 

以上にいくつかユーザー視点でPWAを使う理由をまとめてみました。

誰も使わなくなったネイティブアプリ

devMeTokyではSafariなどブラウザ内で動作するPWA(プログレッシブ・ウェブ・アプリ)での開発プロジェクトを多数行っていますがそれには理由があります。

ここ最近ネイティブアプリがすっかり使われなくなってきているのがその理由です。

実際周りの方に「最近アプリなんかダウンロードした?」と聞いてみたらいいと思います。「こないだ機種変更した時に入れたくらいかな〜」とかいう返事がほとんどだと思います。

先日クライアントさんと打ち合わせ中に次はテレカンする必要があったのでアプリ入れてくださいよと頼んだら「どうやってアプリダウンロードするの?」と聞かれました。AppStoreアプリの存在も知らないユーザーというのもそれなりにいるということに少し驚きました。

実際これは様々な統計にも出ていてそのいくつかを紹介します。

 

アメリカの51%ユーザーの月間のアプリ数はゼロ

出典:https://www.statista.com/statistics/325926/monthly-app-downloads-of-us-smartphone-users/

月間8個以上のアプリをダウンロードしているユーザーは全体の5%

 

スマホ時間の77%がトップ3のアプリで占められている

出典:https://www.statista.com/chart/3835/top-10-app-usage/

トップアプリという事はFacebook, Messanger, インスタあたりではないんでしょうか?

日本だとこれにLineが入ってくるとは思いますが。トップ5まで入れれば87%の時間で占められています。

 

アプリインストール後30日経つと10%のユーザーしか使い続けていない

出典:https://andrewchen.co/new-data-shows-why-losing-80-of-your-mobile-users-is-normal-and-that-the-best-apps-do-much-better/

90日後には5%のユーザーしか残っていないという統計になっています。

よくアプリの宣伝で「500万ダウンロード達成!」とかありますが、30日後には50万人のアクティブユーザーがしかいないという事になりますね。

 

結論:ネイティブアプリを作っても誰も使ってくれない。

新しいアプリをダウンロードするつもりもなく、毎日使うアプリも限られ、新規のアプリをダウンロードしてもほとんどか使わなくなるという現実が以上の統計から分かると思います。

これから新規でネイティブアプリを開発してその開発やマーケティングにかかる費用を回収するのは相当無理な事なんでしょう。

よくAppleのプレゼンとかで出てくるいろんなアプリが開発されていますよというスライドも実際には赤で囲んだアプリくらいしか使われていないんでしょう。

これからはPWAを作っていくのが懸命ですね。